長崎の被爆者5団体の一つ「長崎県被爆者手帳友愛会」が3月末に解散することが関係者への取材で分かった。永田直人会長(89)ら会員の高齢化や財源不足が理由という。1979年に5団体となって以来、被爆者団体の解散は初めて。ほかの被爆者団体も同様の悩みを抱えており、今後の活動のあり方が問われそうだ。
友愛会は県被爆者手帳友の会から分かれる形で1979年8月に発足。国が定める被爆地域の拡大や、被爆地域外で長崎原爆に遭ったため被爆者と認められていない「被爆体験者」の救済を求める活動に力を入れてきた。
関係者によると、当初は約2万4千人いた会員は現在は500人に減少。今年に入って永田会長が体調不良を理由に辞任を申し出たが他の役員らも持病などがあり、後任が決まらなかった。会費収入も減少しており、2月の役員会で解散が決まったという。会員のうち約200人が友の会に移る見通し。
副会長の浜田真治さん(84)は取材に「各自が病気を患い、財政面も厳しく、この先続けることができないとの結論になった。頑張りたいという気力はあるが体がついていかない。残念だがもうどうしようもない」と話した。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル